Webマーケティングにおいて、顧客の行動心理や感情を理解することは成果や効率につながるため非常に重要です。
今回は、顧客の行動心理や感情を理解する上でよく使われる「カスタマージャーニー」の意味から作り方などをご紹介します。
カスタマージャーニーとは
カスタマージャーニーとは、日本語で「顧客の旅」と訳します。顧客がサービスや商品と出会い購入や契約に至るまでの経路のことです。
カスタマージャーニーをもとに、顧客の感情や行動、思考を浮かび上がらせたものを「カスタマージャーニーマップ」と言います。
カスタマージャーニーはマーケティング戦略のみならず、製品開発など様々な場面で広まっています。
カスタマージャーニーを考えるメリット
カスタマージャーニーを考え、マップを作成することにより、どのような利点がうまれるのでしょうか。
詳しくみていきましょう。
顧客の認識
マーケティングにおいて、顧客の立場になって考えることは重要です。行動ログやアンケートで顧客の年齢層や所在地などの断片的な情報を知ることは簡単にできます。
一方で、顧客がなぜそのような行動をしたのか、どのような感情を抱いたのかという内面的な心理を把握することは困難です。
感情などを予測したカスタマージャーニーマップを作成すると、顧客側の気持ちや行動をより理解することができます。
明確な意思決定
カスタマージャーニーは明確な意思決定をサポートできる概念でもあります。
例えばカスタマージャーニーにより、顧客が求めているモノへの意思決定と顧客の気持ちを理解することはより良いマーケティング施策を行う上で重要になります。
また、マップとして可視化することにより、チームの中での認識統一を図ることができます。
全員が同じ方向を見て、マーケティング施策における明確な意思決定をするためにカスタマージャーニーは必要となります。
カスタマージャーニーマップの作成方法
カスタマージャーニーマップには様々なテンプレートがあります。
横軸は、顧客の商品購入までの流れを時系列で示すように作成されます。
縦軸は、明確に決まっていません。
そのため、作成者が感情や行動など示すものを自由に決めて作成します。
カスタマージャーニーマップの詳しい作り方を見ていきましょう。
ターゲット、ゴールを明確にする
まず、マップの作成にあたり、顧客のターゲットやゴールを明確にすることが重要になります。
ターゲットは年齢や性別などを明確にして狙うべき層を詳しく調査します。
また、初回購入なのかリピート購入なのかというゴールの設定がマップ作成の始まりになります。
マップの軸を考える
次に横軸と縦軸を決めていきます。
横軸には、認知や興味、または購入というプロセスを設定します。
縦軸には、思考や感情、行動などを設定します。
縦軸の項目は企業によって異なるため、各企業が提供しているカスタマージャーニーのテンプレートをダウンロードし、自社に合った軸を探すのもおすすめです。
顧客の情報を収集する
次に顧客の情報を収集します。
把握するべき顧客の情報は基本的に行動目的やなぜその行動をとったのかです。
Googleアナリティクスを活用すれば顧客の動きを観察できるため、できるだけ多くの情報をとりましょう。また、顧客へのアンケートや顧客と直接やり取りする部署に聞いてみるのも良いでしょう。自社の顧客層を知ることで、より正確にカスタマージャーニーをイメージしやすくなります。
カスタマージャーニーマップの注意するべき点
カスタマージャーニーマップは便利ではありますが、注意するべき点があります。
上手く活用できるよう、注意点を把握しましょう。
顧客と企業担当の考えにずれが生じる
顧客の感情をマップに反映するということは、企業が顧客に対して「このように思って欲しい」といった主観が入ってしまうことがあります。その結果、顧客が抱く本当の感情と企業が考える顧客の感情にずれが生じてしまいます。主観ではなく、顧客の視点に立って感情を考えることが重要になります。
調査やデータに基づく根拠のあるマップ作成を意識しましょう。
マップ作成後のバージョンアップの怠り
ずれが生じることなく、根拠に基づいたマップを作成した後、完成したことに満足してマップのバージョンアップを怠る場合があります。
顧客の情報や行動がすぐに変わることが多いため、バージョンアップを怠るとターゲットとなる顧客を逃す可能性があります。
そのため、時代の変動や現代の顧客に沿ってマップの見直しを行いましょう。
まとめ
カスタマージャーニーとは顧客がサービスや商品と出会い購入や契約という流れに至るまでの経路のことです。
カスタマージャーニーを作成する場合、感情や行動などの細かい調査をするため、より顧客に寄り添うことができます。
しかし、顧客の情報調査を怠ることでマーケティング活動における成果の向上が困難になる可能性があります。注意点をしっかりと認識してカスタマージャーニーマップを上手く活用しましょう。